性(さが)は休日に

在宅勤務といいつつやることがないので寝巻きでベッドでゴロゴロしています。10万円給付されたらベッド買おうかな。
照明と収納とコンセントがついててネコチャンがついてたら尚いいなあ。


やることが無いわけじゃないのよね。

作り置きのおかずを大量生産したり、ネイルチップを作ったり、訳が分からないくらいホコリがたまりやすい照明カバーを綿棒で掃除したりしたい。
仕事はまあ、やらなくてもいい。


と思いながら今日も昼までゴロゴロしてて、佐川急便のお兄さんとしか話してない。


佐川のお兄さんが「すみません伝票が行方不明なので先に荷物渡していいですか」と言っていたのでモンスター青24本入を受け取りつつ、ふと、確かにお兄さんがとんでもない量の伝票の束を抱えていることに気付いた。

お兄さんのガサゴソ待ちで手持ち無沙汰だったので、「やっぱ忙しいんですか?」と投げかけてみた。ちょっと気になってたし。


「忙しいですね〜」くらいの返事を予想していたのだけど、お兄さんは堰を切ったように
「いやほんとやばいっす!配達しても配達しても無限に荷物が湧いてきて!一生駆けずり回っても終わらないっす!」みたいな事をつらつらと、でも満面の笑みで吐き出した。

なんかこう、休日の荷物の受け取りという気だるげなシーンに急に赤!黄色!みたいなビビットな声色が響いたので、私の中ではそれがすごく似つかわしくないトーンに感じた。なんつーのかな、こう、空回りっつーか。

こういう時に優しく労って感謝の気持ちを述べてあげるのが優しい人なんだよなっていうのは分かったんだけど、なんか私はそういうのをスッといえないから笑いながら「えーそうなんだ!」とか言ってみたりした。


お兄さんはまだ笑顔の濁流が止まらなくて、「でもまあ自分正社員じゃないんで、仕事が無いよりいいっすけどね」みたいな事を言っていた。

命を賭してまでか?とか、そんな大変なこと笑顔で言えるなんてすごいな、とか、色々思ったんだけど、「いつも頑張ってくれてありがとうございます」という「私の中の理想のセリフ」はやっぱりスッと出てこなくて、伝票にサインをしながら

「じゃ、いっぱい稼いでください!お疲れ様!」

みたいなよく分からないことを言ってお兄さんをまた無限の配達へと解放した。


モンスターエナジー、1本分けてあげればよかったな。