裸眼でOK,google

なんか、私は"やり遂げたこと"ってほとんど無いなあと思うんです。

ミニバス(ってあった?子供用のバスケ)もコーチがスパルタで4年で辞めたし、水泳も1級は取らずに辞めたし、剣道も臭いから辞めたし、バンドも夢半ば(と言えるほどガチってすらもなかった)。

もっと言えば消しゴムですら、失くすまでの間に使い切ったことがない。あ、鉛筆もだな……。



当時消しゴムの胴体部分(カバーで隠れててちょっと粉っぽいところ)に、好きな人の名前を書いて使い切ったら両思いになれるみたいなおまじないがあって、
私はそこに当時好きだったマッ君(本名は忘れた)の名前を書いて、案の定なくしたんだよね。
マッ君どうしてるかなあ。


今思えば頭が良くて年齢一桁にしてポルノグラフィティが好きで、遠回りして一緒に帰ってくれる優しさがあって、冬でも短パンの頼もしさもあって、今頃マッ君は結構な有望株に育っているに違いないんだけど、あの頃私が消しゴムをすぐになくすマンでなければ今頃違った未来が描けていたんだろうか……。




そういう訳で全てが尻切れとんぼなんですよ。
ヘイSiri、とんぼの尻が切れない方法をおしえて。

前半が聞こえなかったのか、切れ痔対策の検索結果が出てきました。Siriよ、別にトンボさんは切れ痔で悩んでるわけじゃないんだよ。



1回でいい、今までできなかった事をできるようになってみたい。

別にエベレストに登りたい訳じゃない、富士山でもない、壷を焼いて自宅でワインを密造する程の事じゃなくてもいい。


ほんっとに、消しゴム1つを最後まで使い切ることが出来たら私はそれを嬉々としてツイートしたいんだ。空のケースの写真を添えて、私の鍵垢ポストの1つとして、その画像がサムネイルで乗っててくれれば満足なんだ。それだけでいい。



とはいえね、普段消しゴム使わないから別のことをやってみたい。



と思ったら今日、1つできたのよ。

「やってみたかった」けど「ずっとやって来なかった」事を。


実は今日美容室に行きましてね。

(注釈:ちゃんとその時間帯は私しか予約をしていない事を確認してから行って、店に入る前と出た後に手指をアルコール除菌しました)


いつもは他のお客さんがいるからやらなかったんですけど、今日は客ゼロ&馴染みのスタイリストしかいなかったもんで、やってやりましたよ。



「すみません、シャンプー前からできあがりまでの間、コンタクト外していいですか?」



やってやったんですよ。私は。




なんのこっちゃ分からんという腐れ美男美女のために説明すると、
私が美容室に行きたくない理由のひとつ、「鏡の中にブスが居る地獄の数時間」をこれで回避できます。


ここまで言って理解できない人がいたらめちゃくちゃに羨ましいんだけど、
シャンプー以降って基本は髪がタオルでターバン巻にしてインド人風にされたりとか、カラー剤放置してる間はラップを巻かれて暖められたりとか、首から上が「顔面だけ」の状態で、首から下はケープをまかれて、もうシンプルに顔面が晒されてるんよ。
それを鏡の前で数時間耐えないといけない。



で、シンプルに自分の顔面を眺め続けるのって、レコーディングで自分のハモリパートだけを延々リテイクして聞かされるような死にたさ?間抜けさ?世知辛さ?色んなものに包まれていくんだよね。


あまつさえ美容師のシュッとしたお兄さん達は、この顔面を彩るためのヘアーを整えるためにあくせく働いてるわけ。




もっと言えば美容師ってあれ大変よね、ご飯休憩もろくに取れずに1日立ち仕事で、接客業で、見習い期間も長くて、自分の見た目も小綺麗にしなくちゃいけなくて。

美容師の免許取るのに2,3年かかって、お金だって2〜300万とかかかって、その結果が私の顔面をマシに見せるために昼飯も食えずにバタバタですよ。

そんな悲しい事ありますか。





ーーーとかなんとか、頭によぎっちゃうわけよ。


それがなんとね、コンタクトを外すとあら不思議。

鏡の中の私はだいぶモザイクがかかって、精神的な負担の方にもかなりモヤがかかってくれる。

見えるかな?いや見えないな!いや、ちょっと見える?目を細めてみるとちょっと見える!


みたいな、少年時代のエロ本のモザイク部分くらい、鏡の中の私にだいぶドリームな加工がかかるんだよね。


勇気を出してやってみて良かった。世の中のブスは全員ためしてみてほしい。

なんなら私は今度から周りに客がいても「裸眼美容室」をエンジョイしていこうと思ってる。




ヘイSiri、これは「やり遂げる」のとはちょっと趣向が違うね。まあいいか。

(Androidスマートフォンからの投稿)